鎌倉彫青山工房ギャラリー


鎌倉の四季

制作の意図

鎌倉の野山に咲く花や木の実をモチーフに鎌倉の四季の豊かさを表現するとともに、これからも大切にしたいと考え取り組みました。前年制作した「ジュウヤク」をたたき台に、修正、工夫を加えたものです。彫刻について 内側の側面に彫刻することは大変困難で、時間との勝負でした。

図案については鎌倉の野山でよく見かける草花のなかから、ヤブツバキ、タチツボスミレ、ヘビイチゴ、ホタルブクロ、ヒメヒオウギズイセン、ノコンギク、ノブドウ、カラスウリを淵に配置しました。可憐で力強い野草は繊細な彫刻で表現したいと考えました。

 

制作年月日

2014.10.24~2015.11.16

 

受賞

第43回鎌倉彫創作展において大賞を受賞

 

審査講評

この大鉢は方形で広淵と平らな見込みで構成され力強い造形性を発揮している。やや広めの端返りの部分には鎌倉の四季の花が繊細に全面に彫られ見込みの部分は細かい布目の漆仕上げとなって格調の高い作品になっている。(多摩美大名誉教授 高木 晃先生)

 

 

 

 

 

         

 


叩き刀痕文軸入れ

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叩き刀痕文軸入れ

軸入れを作ろうと考えたのは妻が掛け軸を描き始めたのがきっかけでした。床の間に置いたまま、季節の移り変わりに合わせて取り替えるケースがあったら便利だし、素敵な床の間になるだろうと思いつきました。木地作りから手掛け、苦労が多くありましたが満足しています。寸法25.5×71.5×11㎝

 

■制作年月日

第35回記念鎌倉彫創作展 準大賞

「普段は表に出ない桐箱に代わる掛け軸を収納する容器である。刀痕を生かす漆塗の技法、中塗りに緑漆を上塗りに黒漆を用い、長年使い込むことにより器の変化を楽しむ工夫もある優品である。」との評を審査委員である現在重要無形文化財保持者の増村紀一郎先生よりいただいた。


ジュウヤク


ジュウヤク
ジュウヤク

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ジュウヤク

独創的で此れまでにない形、使いやすさ、さらに内側に彫刻する・・・を念頭に木地作りをしました。

 

■特徴

一枚の板をくり抜いて器をつくるという方法でなく、糸ミシンで底の部分を切り取り側面をつくる。

木地を底板と側面とを別にすることで、内側の彫刻が容易になり、底板の裏表に布張が可能になって、さらに堅ろうな底を作ることが出来ました。また、両手で持った時、朝顔のように開いた形の側面はしっくり馴染むと感じましました。

■制作年月日 

2014年

■出品

第42回鎌倉彫創作展。

鎌倉商工会議所会頭賞を受賞。

審査委員長の多摩美術大学の高木先生から「作者の思いが溢れでているような作品」との評をいただきました。


木肌手繰蓋物

木肌手繰蓋物

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木肌手繰蓋物

製材された板の端に、まる太を連想させる部分(表皮のすぐ下の部分)が残っている木材があります。これが耳付板。片耳と両耳があります。木地の形を切り取る際にはその部分を避けるものですが、むしろ生かした器をつくりたいと考えました。この場合は両耳です。

 

■特色

外側は有りのままの傾斜角度にまかせた蓋の形、一方内側は四方どのように合わせても蓋と身がぴったりと合うようにくり抜きました。

■制作年月日

制作開始は2009年。

厚板のまま水に漬け置きする。

木の皮を丁寧に剥く。製材の後荒彫、乾燥。2~3年おく。

■出品

伝統的工芸品in春日部2012

関東伝統工芸士会コンクールにて会長賞を受賞。

審査委員長は現在、重要無形文化財保持者の増村紀一郎先生。


梅花文大香合

梅花文大香合

梅の図案について

大香合の図案は梅と決まってあらためて梅を見直してみたくなり、近くの梅林にでかけてみました。

梅は冷たい空気の中でほのかな香りを漂わせて白い花を咲かせていました。枝や幹に直に花を付ける姿、緑色の若い枝が真っ直ぐに伸びる様子は特徴的です。ゴツゴツして黒い幹、白い花花の中で一際目立つ赤い蕾など再確認。

そんな中で一本の木が目を引きました。

根本から枝が分れて放射状に伸びているその木は大香合の構図にピッタリです。

早速画帳にラフスケッチしておきました。

 

木地への絵付けで最も苦心するのは、構図です。

今回は大地から力強く伸び 冷たい空気の中で香り高く咲く 早春の梅がテーマ。

先のスケッチはこのテーマの骨格になりました。

 

蕾から全開までの4種の花のパターンで全面に配置。一気に絵付けをしました。

一通り絵付けが終わったところで、2~3日この作業から離れます。

あらためて修正を加え絵付けを完成。 

(2009年春の東日本伝統工芸展に出品、初入選)


鎌倉華の膳

ここ鎌倉の地で咲く馴染みの花々(水仙 ヤブツバキ 山桜 紫陽花 萩)を使ってお膳、お盆として四季おりおりに日々の暮らしのなかで愛用される鎌倉彫らしい一品を木地から5枚組で作ってみようと思いました。

 

特色

本来であるならば、黒中を塗り、朱で上塗りですが、花の部分の所々に朱を入れてから 上塗りを施しました。表の側面はタタキノミで仕上げてあります。

 

制作の意図

ゆったりとした感じを出すために 胴張の型にして軽くするためと狂いを防ぐために裏の底を削り、裏の擦れる部分には麻布を張り強くしました。

制作年月日

2010年10月~12月9日


鎌倉彫蓋物 さくら

鎌倉彫青山工房  鎌倉彫蓋物「さくら」

鎌倉彫蓋物 さくら

美しい桜に出合った。
一枝を写生帳に描いておいた。
それから、手繰りで丸い木地を作った。
花びらの表情が映えるように絵付けをした。
丹念に、丹念にさくらを彫った。
心を込めて、幾重にも漆の衣を着せた。
語り掛けるように磨くと、花びらが輝いてそれに応えてくれた。こうして 鎌倉彫「さくら」が誕生した。

第33回 鎌倉彫創作展において、創作大賞を受賞。


ワインクーラー 葡萄唐草

鎌倉彫青山工房  ワインクーラー 葡萄唐草

ワインクーラー 葡萄唐草

箱枕のような変った形の器。

その蓋を取って 氷を入れ、ワインのボトルを斜めに入れると丁度収まるように木材をくり抜きました。実際、重厚で安定感があります。帯状に描いた葡萄唐草は 芳醇なワインの香りかあるいはギリシャ神話やヴァッカスといった美しい酒のイメージで描きました。